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プロパンガスが高い5つの理由

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「プロパンガスは都市ガスに比べて高い」こう言われている事は多くの方がご存知です。

それでは、「なぜプロパンガスは都市ガスに比べ高いのか」知っていますか?多くの方はその理由を知りません。

しかし、実はこの理由を知る事が毎月の請求額を節約する最も重要なポイントなのです。

そこで今回は、プロパンガスが高い5つの理由を徹底解剖致します。

特殊な市場環境

理由その1:各会社が自由に料金を決められるため高い!

電気や水道、都市ガスなどは公共料金と呼ばれ、単価の設定や変更には国や地方自治体など行政の認可が必要となります。

そのため単価が大きく変動することもなければ、消費者利益を著しく損なう高額な設定もできません。 一つの地域に一つの会社しか存在せず、競争が起きない公共料金の値段は、この認可制により一定の安さが保証されているのです。

それら公共料金とは対照的に、プロパンガスは各会社が自由に設定できる自由商品です。 公共料金のように価格変更に政府の認可等も必要ありません。

そのため価格は頻繁に変動します。 また、驚くほど高い単価設定をする事も、消費者に黙って一方的に値上げをする事も可能なのです。

料金変更の理由としては、みなさんもよく耳にされるかと思いますが、原油価格の高騰や為替レートの変動などです。 それらを理由に現場担当者の裁量で単価を高くしたり安くしたりしているのが現状です。

プロパンガス 都市ガス・電気・水道
種類 自由料金 公共料金
特徴
  • 自由に価格変更ができる
  • 原油価格などによって頻繁に変更する
  • 地域や会社によって高かったり安かったりする
  • 料金変更に政府の認可が必要
  • 料金変更がほぼない
  • どの地域・会社でもほぼ同じ料金

理由その2:企業同士が繋がっているから高い!

ガス会社同士の繋がり

プロパンガス市場は何十年もの間、企業間での競争、つまり顧客の取り合いがない特殊な市場でした。 これは利益を追求する一般的な資本主義の市場では考えられない事です。

一般的な企業であれば、競合の商品よりも自社の商品を安くしたり、価値を高めたりして、自社のお客さんを増やそうとします。 その結果、売上げは伸び、企業は成長して行きます。また、消費者もよりよい商品をより安く買えるようになり市場が発達していきます。

しかし、プロパンガス市場では正常な競争は起こりませんでした。 実は、力のある企業同士が裏で繋がっており、競争しないよう内々に取り決めていたのです。

競争をやめる事で、多くの企業はお客さんを増やし売上を伸ばす事ではなく、今いるお客さんからよりたくさん利益を得て売上を伸ばそうとしたのです。

理由その3:商品自体の差別化ができないから高い!

プロパンガス自体は差別化できる商品ではありません。 どこの会社も中身は同じで、消費者にとっては安い事が一番重要です。 (もちろん、安全性やガス切れしない等、当たり前のサービスも必要ですが。)

そのため競合の顧客を奪うには、他社よりも安くする、価格勝負に出る必要があります。 そうなれば一軒あたりからの利益は少なくなってしまいます。

また、競合のお客さんを勧誘するための人件費なども掛かりますので、さらに利益は減ってしまいます。 競合に取っては取られの争いを繰り返すのはどの企業にとっても好ましい事ではありませんでした。

そしてこの消耗戦を嫌った多くの企業は、高い単価を維持できるよう、顧客の奪い合いをやめたのです。

理由その4:消費者が十分に情報を持っていない

プロパンガスは各企業が自由に価格を設定できる自由商品だと言いました。 言わば、コンビニに売っているお茶やパンと同じです。

しかし、プロパンガスとコンビニのお茶では決定的に異なる事があります。 それは商品に対する関心と情報量です。

コンビニのお茶であれば、消費者はどこのコンビニが安いか知っていますし、関心があります。 知らなくても、簡単に調べる事ができる環境が整っています。

しかしプロパンガスの場合、ほとんどの方は公共料金だと勘違いされています。 そのため値段に関して興味や関心を持っていません。

また、自宅の単価を調べようにも、ほとんどの会社の検針票には単価がいくらなのか書いていません。 どの会社が安いかという情報もインターネット上にほとんどありません。

今契約している会社が高いのか安いのかの判断も出来ないし、会社を自分の意志で選べる事すらも知らない状態なのです。

このように消費者が値段に関心がないのであれば、企業は強気な設定ができてしまいます。 これもプロパンガスが高い理由の一つです。

料金設定のからくり

理由その5:設備費用が曖昧に上乗せされているから高い!

ガスの供給契約を開始する場合、都市ガスでもプロパンガスでもガス管や給湯器などの設備を用意する必要があります。

都市ガスの場合、それらの設備費用は建築時に一括で支払われますが、プロパンガスの場合は業者が負担するケースが大半です。 しかし、この業者負担がプロパンガスが高い要因の一つになっているのです。

実は業者は、負担したはずの設備費用をこっそりと毎月の請求に分割し上乗せしているのです。

どういう事かと言うと、仮に設備費用(業者が負担した金額)が30万円だったとします。 するとガス会社はこの30万円を15年で回収するには毎月従量単価にいくら上乗せすればよいかを考えます。

15年で30万円なので1年で2万円回収する計算で、1ヶ月でだいたい1,650円ほどになります。

30万円 ÷ 15年 ÷ 12ヶ月 = 1,650円/月

仮に今回の契約者が4人家族だった場合、月のガス使用量の平均は20㎥なので、だいたい83円くらいです。

1,650円 ÷ 20㎥ = 83円/㎥

この83円を本来の従量単価にこっそり上乗せするのです。

この計算を見て、なんとも曖昧だと感じませんか? どの計算も「多分これくらい」というレベルの想定でしかありません。

もし毎月の使用量が20㎥よりも多ければ、上乗せ分は本来の金額を超えてしまいます。 逆に使用量が少なれば、ガス会社にとってはその分値上げすればよいので、使用量を抑えても無意味な努力に終わってしまいます。

さらにこの上乗せ分、こっそり上乗せされいるわけですから15年経っても安くなる事はなく高いままです

つまり、供給開始時に一括で支払うよりも、業者に費用負担し手もらう方が結果的に高くつくというです。

近年の動向

相場価格は下落傾向

これまでプロパンガスが高い5つの理由をご説明してきました。 それでは、近年の市場と価格の動向はどうなっているのでしょうか。

原油価格動向 上記のような環境を変えるべく、政府は1997年「液化石油ガス法」を改定しました。 主な内容は、単価を消費者にとって分かりやすい形で示すよう義務づけたことです。

各社の単価や自宅の単価が明確になれば、消費者は安い会社を選択する事ができます。 その結果、企業間の競争が発生し高い相場価格は安くなるはずでした。

しかしその効果は薄く、価格についての情報が十分広まるには至っておらず、未だ高い請求額を払い続けている人が大勢いらっしゃいます。

それでも、関東を中心に企業同士の競争が少しずつ増え始め、相場価格は下落傾向にあります。

また、2014年初から続く原油安の影響により、各社単価を値下げする動きが広まっています。

こちらのページから、各都道府県の相場料金をご確認頂けます。

ブローカーによる営業価格が高い単価の理由

97年の法改正や自由に価格を設定する事ができる制度を利用し、安い単価で切り替えの契約を取るブローカーと言われる人たちが関東を中心に近年増えてきています。

ブローカーは契約件数に応じてプロパンガス会社から報酬をもらっています。 そのため異常に安い価格を提示して契約を獲得するという詐欺まがいな手口を使うブローカーまで出てくるようになってしまいました。

そのような価格は、利益がでないどころか赤字になってしまう言わば営業価格です。 そのため、契約開始時の価格は長くは持たず、半年から1年の間に必ず値上げを起こします

その後何度も値上げが行われ、最終的には切り替え前より高い単価になってしまうと言ったケースも少なくありません。

この営業価格による勧誘は、近年の単価の高い理由の一つとなっています。

賃貸マンション・アパートのプロパンガスが高い理由

実は設備費用が上乗せされているから高い!

先ほどご説明したとおり、プロパンガスの設備費用は毎月の単価に上乗せされ、こっそりと回収されています。 そしてこのからくりは、なんと一戸建だけではなく賃貸アパート・マンションでも起こっていることなのです。

と言うのも都市ガスの場合、ガス機器等の設備費用は大家さんが支払うので、入居者の方は毎月のガス代を払うだけで済んでいます。

しかし、プロパンガスの賃貸アパート・マンションでは、設備費用の負担は業者側です。 そして業者が負担した費用は毎月の従量単価に上乗せされます。

つまり、実質的に支払っているのは大家さんではなく入居者の方々なのです。

このように本来大家さんが支払うべき費用が回り回って入居者が支払う羽目になっているため、都市ガスと比べると賃貸アパート・マンションの単価は高いくなってしまっているのです。

入居者にガス会社を選ぶ権利がないから高い!

賃貸アパート・マンションのプロパンガスが高いもう1つの理由は、入居者はどの会社と契約するかを自由に選ぶ事が出来ないということです。

一戸建の場合、プロパンガスの契約者はその家に住んでいる人です。 そのため普通は好き勝手に値上げしたりすれば別の会社に切り替えられてしまうため、過度な値上げは起きません。

この関係は、ガス会社と契約者双方に権利があるため平等な関係と言えます。

しかし、賃貸アパート・マンションの場合、プロパンガスの契約者は入居者のみなさんではなく大家さんです。 つまり、入居者のみなさんには会社を自由に選ぶ権利がなく、会社と入居者は平等な関係ではないのです。

ガス会社と入居者の関係性が高い理由

他社に切り替えられる心配がないので、ガス会社は好きなように値上げをすることができます。 これも賃貸アパート・マンションの単価が高い理由の一つになっているのです。

高いプロパンガス価格に関するご相談実例

ご相談者

福島県在住 R・Kさん(女性)

女性イメージ

ご相談内容

先日、同じ福島に住む両親と話していて私の家の料金が高い事を知りました。

先日両親が家に来た時にテーブルの上に置いてあった請求書を見つけ高いと言っていたんです。 これまでガスの請求を気にした事はなかったのですが、「言われてみれば高い気もするな」と思いインターネットで調べていたところこちらのサイトを見つけました。

今まで請求額について気に留めていなかったぐらいでしたので、プロパンガスが高い理由や会社ごとに価格が異なる事などこちらのサイトに書かれている事は初めて知る事ばかりで大変参考になりました。

また料金診断もしてみたところ、やはり「高い」との結果で、安くなるなるのであればと思い相談しました。 相談後はすぐに会社を紹介してくれて、無事安くする事ができました。

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